【太陽礼拝とは?】意味・効果・やり方まで初心者向けにやさしく解説

朝、太陽の光を浴びながら、ゆったりとした呼吸に合わせて体を動かす

――そんな時間を過ごしてみたいと思ったことはありませんか?

太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)は、ヨガの基本でありながら、とても奥深い動きの流れ。

この記事では、太陽礼拝の意味や効果、ポーズのポイント、よくある間違いまで、やさしく丁寧に解説していきます。

目次

太陽礼拝の意味と起源

「スーリヤ・ナマスカーラ」というサンスクリット語には、「太陽(スーリヤ)にお祈りを捧げる(ナマスカーラ)」という意味があります。

もともとは、太陽の神様に感謝を伝える宗教的な儀式として行われていました。

朝に太陽へ祈りを捧げることで、自然の恵みや新しい一日に敬意を表す――。

そんな想いが込められています。

また、太陽礼拝が12個のポーズから構成されているのは、太陽が一年かけて黄道12宮(星座)を巡る動きにちなんでいるとも言われています。

つまり、12のポーズを流れるように行うことは、「太陽の旅路」を体現しているとも解釈できるのです。

現代では宗教的な意味合いは薄れ、以下のような目的で日々のヨガに取り入れられています。

  • ヨガ前のウォームアップとして
  • 一連のフローだけでもしっかりとした運動効果が得られる
  • 朝の目覚めにぴったりなセルフケアとして

朝の静かな時間に、自然の恵みに感謝しながら太陽礼拝を行うと、心と体がすっと整っていくのを実感できるはずです。

太陽礼拝の効果

太陽礼拝は、12のポーズを流れるように繰り返すことで、心身をウォームアップし、集中力を高めてくれます。

身体的な効果

体があたたまる

動きが連続しているため、関節がスムーズにほぐれ、体温が上がりやすくなります。ウォームアップにぴったりです。

血行促進・代謝アップ

ポーズと呼吸を連動させることで、体内に酸素がしっかりと行きわたり、血行が良くなります。

有酸素運動の効果が得られる

ゆったりとした動きでも、繰り返すことで心拍数が自然に上がり、脂肪燃焼や代謝アップが期待できます。

体幹・インナーマッスルの強化

太陽礼拝では腕・脚・腹筋・背筋など全身を使うため、バランスよく筋力が鍛えられます。

背骨の柔軟性がアップする

前屈・後屈・反らす・伸ばすといった背骨全体を動かすポーズが組み込まれているため、姿勢改善や肩こり・腰痛の予防にもつながります。

精神的な効果

自律神経を整える

深く安定した呼吸は、副交感神経を優位にし、リラックスした状態へ導きます。

心のざわつきを落ち着かせる

呼吸と動作に集中することで、“今この瞬間”に意識が向き、自然とマインドフルネスな状態になります。

気分が前向きになる

新鮮な酸素が全身をめぐることで、脳も活性化。気分の落ち込みやストレスがやわらぐ効果も期待できます。

太陽礼拝は、「動く瞑想」とも言われるほど、身体と心の両面に深く働きかけてくれるヨガの基本。

忙しい朝にたった5分でも取り入れることで、その日一日のコンディションが整いやすくなります。

ぜひあなたのルーティンに取り入れてみてください。

太陽礼拝のやり方|ポーズと呼吸の流れ

太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)にはいくつかのバリエーションがあり、流派によってポーズの構成やリズム、呼吸の合わせ方が異なるのも魅力のひとつです。

  • ハタヨガ式では、ひとつひとつのポーズをじっくり感じながら進める穏やかなスタイル
  • アシュタンガ式では、決まった順番とテンポでダイナミックに繰り返していくスタイル
  • ヴィンヤサフロー式では、呼吸に合わせて流れるように自由につなげていくスタイル

今回は、初心者の方にも取り組みやすいハタヨガ式の太陽礼拝の基本の流れを紹介します。

呼吸とポーズを連動させることで心と体が整っていく感覚を、ぜひ体験してみてください。

太陽礼拝12のポーズ

STEP
タダーサナ|山のポーズ

【姿勢】足裏でしっかり立ち、背筋を伸ばす

【呼吸】ゆっくり呼吸し整える

STEP
ウルドヴァ・ハスターサナ|手を上にあげるポーズ

【姿勢】両手を大きく空に向かって持ち上げる

【呼吸】吸う

STEP
ウッターナーサナ|立位前屈

【姿勢】股関節から折りたたむように前屈する

【呼吸】吐く

STEP
アルダ・ウッターナーサナ|半分の立位前屈

【姿勢】背筋を伸ばして半分起き上がる

【呼吸】吸う

STEP
クンバカーサナ|板(プランク)のポーズ

【姿勢】両手を床につき、脚を後ろへ引いて一直線に

【呼吸】

STEP
チャトランガ・ダンダーサナ|四肢で支える杖のポーズ

【姿勢】ヒジを曲げながら体を床すれすれまで下ろす

【呼吸】吐く

STEP
ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ|上向きの犬(アップドック)のポーズ

【姿勢】胸を開き、足の甲と手で体を支え背中を反らせる

【呼吸】吸う

STEP
アド・ムカ・シュヴァナーサナ|下を向いた犬(ダウンドック)のポーズ

【姿勢】お尻を高く引き上げ、背面全体を伸ばす(3~5呼吸キープ)

【呼吸】吐く

STEP
アルダ・ウッターナーサナ|半分の立位前屈

【姿勢】足を手の間に戻し、背筋を伸ばす

【呼吸】吸う

STEP
ウッターナーサナ|立位前屈

【姿勢】脱力して深く前屈する

【呼吸】吐く

STEP
ウルドゥヴァ・ハスターサナ|手を上にあげるポーズ

【姿勢】背筋を伸ばして立ち上がり、両手を空へ

【呼吸】吸う

STEP
タダーサナ|山のポーズ

【姿勢】両手をおろして、姿勢を整え終了

【呼吸】吐く

太陽礼拝を行う際のポイント

太陽礼拝をより効果的に行うためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。

  • ポーズとポーズの移行はなめらかに行う
  • 背骨の動きを意識しながら行う
  • 呼吸に意識を向ける

ポーズとポーズの移行はなめらかに行う

太陽礼拝は一連の動きを「流れるように」つなげることで、呼吸と身体の調和が生まれます。

止まることなく、しなやかに動いていくことで、内側からエネルギーが巡るのを感じられるはずです。

背骨の動きを意識しながら行う

前屈・後屈・伸展など、太陽礼拝ではさまざまな方向に背骨を動かしていきます。

無理なく、でも丁寧に背骨を動かすことで、姿勢改善や自律神経の調整にもつながります。

呼吸に意識を向ける

吸う・吐くに合わせて体を動かすことで、自然と集中力が高まり、「今この瞬間」に心を向けることができるようになります。

呼吸をガイドにすることで、動きにリズムが生まれ、無理のない心地よいヨガの時間を過ごせるようになるでしょう。

初心者さんへのアドバイス

  • 朝がベスト!
  • 最初は無理せず1~2ラウンドを
  • ゆっくり、無理せず、呼吸をとめない

朝の太陽礼拝は、交感神経のスイッチをやさしく入れてくれる働きがあります。

血流や心拍数が自然に上がることで眠っていた身体が目覚め、活動モードへとスムーズに移行できるのです。

1ラウンドおよそ2〜5分程度(流派やペースにより前後)で行うことができるので、最初は気軽に、1〜2ラウンドからスタートしてみましょう。

慣れてきたら、5〜10ラウンドを目標にすると、しっかりとした運動効果も得られるようになりますよ!

そして、一番大事なのは無理しないこと。

無理に伸ばそうとしたり、無理にホールド時間を延ばして筋トレ効果を上げようとしたり…最初はがんばりすぎてしまう人が多いようです。

太陽礼拝中に呼吸がとまってしまう場合は、無意識に力が入っているかもしれません。

身体を痛めては元も子もないので、丁寧に体の声に耳を傾けて、少しずつ変化を楽しみましょう。

まとめ|太陽礼拝で1日を丁寧に始めよう

太陽礼拝は、身体を整えるだけでなく、心にもやさしく働きかけるヨガの基本。

たった12ポーズの流れなので、覚えると体が自然と動くようになり、マインドフルな状態にも入りやすくなります。

一日のはじまりに、感謝を込めて動く時間を持つだけで、あなたの心と体はゆるやかに変わっていくはず。

ぜひ、あなたの暮らしに取り入れてみてください。

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