独身女性の老後の支出はどう変わる?家計データで見える安心と落とし穴

独身女性の老後の支出はどう変わる?家計データで見える安心と落とし穴

老後って、実際どれくらいお金がかかるんだろう?

貯金はしてるけど、足りるかどうか自信がない…

そんな不安を、ふと感じたことはありませんか?

年金制度への不安、物価の上昇、ひとり暮らしの不安定さ。

40代の今、老後の暮らしを意識し始めた方も多いのではないでしょうか。

実は、老後の生活費は“金額”だけでなく“支出の中身”が大きく変わることをご存じですか?

そこで本記事では、総務省の家計調査をもとに、60歳未満と60歳以上の単身世帯の支出データを徹底比較しました。

「老後になると何が減って、何が増えるのか?」

リアルな数字とともにわかりやすく解説していきます!

この記事でわかること
  • 支出の質の変化を知ることで、老後資金の準備がぐっと具体的になる
  • 漠然とした不安が、現実的な安心に変わる

老後を“遠い未来”の話にしないために。

今だからこそ知っておきたい、老後支出のリアルと備え方のヒントをお届けします。

目次

老後の支出、リアルな数字で見えてくること

老後の支出、リアルな数字で見えてくること

「老後は思ったほどお金がかからない」と聞くこともありますが、実際はどうなのでしょうか?

生活スタイルが変わっても、毎月の固定費や医療費、食費など減らない出費は意外と多いのが現実です。

総務省の家計調査(単身世帯データ)によると、

  • 60歳未満の平均消費支出は約18万円/月
  • 60歳以上では約16万円/月

老後になると月2万円ほど出費が減少しています。

しかし、この減少は「住居費や外食費が減る」など一部の項目によるもので、医療費や光熱費はむしろ増える傾向にあります。

さらに、40代独身女性が老後を迎える頃には、物価上昇や年金制度の変化など、現在のデータ以上に支出が増える可能性も否めません。

「老後の生活費=今の生活費より少なくなる」という思い込みは危険。
将来を見据えるなら、どの支出が増えて、どの支出が減るのか、リアルな数字を把握しておくことが安心につながります!

今と老後、支出はどう変化する?

今と老後、支出はどう変化する?

40代の今と比べて老後(60歳以降)の消費支出(月額)は、約2万円ほど減る傾向があり、一見、老後は「出費が減って安心」と思いがち。

ですが、内訳を見てみると必ずしもそうとは言いきれません。

年代月間消費支出年間換算備考
35~59歳180,007円約216万円有業率91%家賃負担大きい
60歳以上161,739円約194万円有業率21%持ち家中心
差額▲18,268円▲約22万円支出は減るが油断は禁物
「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」(総務省統計局)を加工して作成

支出自体は減るものの、生活スタイルや支出の内訳が大きく変わるため、油断は禁物です。

60歳未満と60歳以上の支出比較(単身世帯)

以下の表は、35〜59歳と60歳以上の単身世帯の支出を比較したものです。

「老後は支出が減る」とはいえ、その内訳を見ると意外な変化が見えてきます。

項目35~59歳60歳以上増減備考(変化の背景)
住居費26,543円14,982円11,500円持ち家率:51.3% → 86.8%に上昇
食料費41,502円41,569円≒ほぼ変化なし外食は減るが中食・調理食品が増える傾向
光熱・水道費13,358円14,572円1,200円在宅時間増加で光熱費増
保健医療費8,026円9,474円1,448円加齢による通院・薬の頻度増
交通・通信22,240円16,231円6,000円車維持減(返納・利用頻度低下)
教養娯楽22,244円16,368円6,000円旅行・習い事など選別傾向に
被服・履物6,200円5,059円1,100円ファッション支出抑制傾向
その他消費34,320円36,172円1,800円交際費・冠婚葬祭費が比率として増加
「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」(総務省統計局)を加工して作成

老後支出の“変化”のポイントはこの3つ!

  1. 住居費が大きく減少
    → 60歳以上では持ち家率が8割以上に。家賃の支払いがない分、月1万円以上の支出減に。
  2. 食費はあまり減らない
    → 外食は減っても、調理済み食品や惣菜など“手軽な中食”への支出が続くため、総額はほぼ横ばい
  3. 医療費・光熱費・交際費がじわじわ増加
    → 通院や薬代、在宅時間の増加による光熱費の上昇、冠婚葬祭や人付き合いの出費も増える傾向に。

「減る支出」と「減らない支出」、その違いを理解しよう

通勤がなくなれば衣服代や交通費は減りますし、持ち家であれば家賃の負担もなくなります。

しかしその一方で、年齢とともに増える支出もあるということを忘れてはいけません。

特に、

  • 医療費(+1,400円/月)
  • 光熱費(+1,200円/月)
  • その他消費支出(交際費など+1,800円/月)

は、年齢に応じて避けづらくなる“必要経費”。

老後の支出は全体的には減っても、生活の質や安心感に関わる出費はむしろ増えるのです。

老後の生活費は「金額」だけでなく、「中身」が変わる。
その“変化の質”を見落とさないことが、安心につながります。

老後支出の特徴的な変化とその背景

老後支出の特徴的な変化とその背景

老後の生活費は、生活スタイルや優先順位の変化が支出に表れているのが特徴です。

ここでは、先ほどの比較表をもとに、「なぜこの支出が変化するのか?」をもう少し深く読み解いていきます。

老後減る支出

老後は働き方やライフスタイルが変わることで、今まで当たり前だった出費が少しずつ減っていきます。

特に大きく減るのが住居費・外食・衣類・交通費など、仕事や外出に関連する支出

「毎日がんばっていたからこそ必要だったもの」が、少しずつ必要なくなっていく――。

そんな暮らしのリズムの変化が、支出の変化にそのまま表れているのです。

住居費

60歳以上では持ち家率が86.8%と非常に高く、家賃を支払っている人はわずか11%

これにより、住居費は月1万円以上の大幅ダウンとなり、全体の支出を減らしています。

とはいえ、持ち家ならではの出費もあります。

たとえば、修繕費やリフォーム費、家電の買い替えなど、見えにくいコストに注意が必要です。

賃貸で暮らし続ける場合は、家賃分として毎月2〜5万円の上乗せ支出を見込む必要があります。
「住まい」に関する選択が、老後生活の安心感と家計に大きく影響してくるのです。

外食費・交通費・衣類代

外出や交際の頻度が減ることで、外食・ファッション・交通費などの“外向きの出費”は自然に減少します。

特に外食費は、月5,000円近く減っており、人付き合いの変化や節約意識の影響が見て取れます。

車の維持費や洋服代も、必要最低限に絞る人が多くなるようです。

老後増える・変わらない支出

減る支出がある一方、老後も減らない、むしろ増える支出も存在します。

それが、医療・光熱費・食費・交際費といった、安心と健康を守るための“暮らしの土台”となる費用

ラクをしたい、無理をしたくない、安心して暮らしたい――

そんな気持ちが、「節約できない出費」として現れてくるのです。

医療費

加齢とともに通院や薬代、検査費などが増加するのは避けられません。

60歳以上の女性単身世帯では、医療費の支出が月額で約1,400円ほど増加しています。

しかし、この増加幅を意外と小さく感じた方もいるかもしれませんね。

その背景には、高額療養費制度などの公的支援があることが大きく関係しています。

一定額以上の医療費は自己負担が軽減される仕組みが整っているため、一時的に大きな出費があっても“平均額”としては抑えられているのです。

ただし、今後は制度の見直しや、自己負担の上限額が引き上げられる可能性も。
また、介護や自由診療、先進医療などは制度の対象外となることも多く、想定外の出費に備える必要があります。

光熱・水道費

退職後は自宅で過ごす時間が長くなるため、光熱費がじわじわと増加

特に冷暖房・給湯などの使用頻度が上がるため、月1,000円以上の負担増となっています。

加齢により寒さ・暑さへの耐性が下がることも一因に。

食費

食費全体は大きく減っていない、むしろ微増しているケースも

外食が減る代わりに、惣菜や宅配などの“中食”が多くなり、単価が上がる傾向にあります。

「食べる量は減っても、ラクさや安全を優先した食費は増える」というのが実情です。

その他の消費支出(交際費・冠婚葬祭費)

老後は意外と、人付き合いによる出費が多くなります。

冠婚葬祭、親族・友人とのお付き合いなど、人とのつながりを保つための支出が“その他”に含まれて増加する傾向があります。

老後の支出は、「増えるもの」「変わらないもの」に目を向けてこそ、現実的な準備ができるのです。

老後に必要な生活費(月額)はどれくらい?

老後に必要な生活費(月額)はどれくらい?

老後に必要な生活費は、ライフスタイルや住まいの条件によって変わりますが、総務省の調査によると60歳以上・女性単身世帯の平均的な月間消費支出は約16万円

年額にすると約194万円となり、「最低限の暮らしにはそれなりの金額が必要」ということが見えてきます。

ただし、これはあくまでも平均値

実際には以下のような条件で大きく変わってきます。

生活費を左右する3つの要素

  1. 住まいの形(持ち家か賃貸か)
    → 家賃の有無は、老後生活費に最も大きく影響します。賃貸なら月2〜5万円以上、支出が上乗せされることも。
  2. 健康状態と医療費
    → 年齢とともに医療費は増加。平均では約9,500円/月ですが、持病があればさらに必要です。
  3. ゆとりのある暮らしを求めるかどうか
    → 趣味や旅行、人付き合いなどを楽しむには、“ゆとり費”として+2〜4万円/月ほど見込んでおくと安心です。

この3つは、どれも自分の選択や状況で大きく変わるものばかり。
「自分はどんな老後を送りたいか?」を考えることで、必要な生活費の目安もぐっとリアルになります。

最低限・ふつう・ゆとり、3パターンで見る生活費目安

生活水準月額目安年額換算想定される暮らし方
最低限の生活約13万円約156万円食費・光熱費・通信費など必要最低限で生活
平均的な生活約16万円約192万円家計調査に基づいた現実的な支出
ゆとりある生活約18〜20万円約216〜240万円趣味・娯楽・交際費など、心の豊かさも重視した生活
「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」(総務省統計局)を加工して作成

「老後=節約生活」というイメージは根強いかもしれませんが、本当に安心して暮らすには“ゆとり分”の上乗せが必要になるケースがほとんどです。

特に40代独身女性の場合、

  • 賃貸住まい
  • 一人暮らし
  • 健康や収入に不安がある

こうした条件が重なれば、老後の生活費は平均以上を想定しておくべきと言えます。

賃貸暮らし・ひとり暮らし・健康不安のある方は、最低でも月16〜18万円は見込んでおくのが安心です。

支出項目別の内訳と比率(円/月)

では、実際に60歳以上の単身世帯では、どんな項目にどれくらいお金がかかっているのか?

月あたり約16万円の生活費の中身を、項目ごとに分解した表がこちらです。

支出項目金額(円)割合(%)備考
食料41,569約25.7%穀類、野菜、調理食品など含む
住居14,982約9.3%家賃+修繕維持費
光熱・水道14,572約9.0%電気・ガス・上下水道
家具・家事用品7,312約4.5%消耗品・耐久財・家事サービス等
被服・履物5,059約3.1%洋服、下着、履物など
保健医療9,474約5.9%医薬品、医療サービス等
交通・通信16,231約10.0%車関連費、通信費(スマホなど)
教養娯楽16,368約10.1%書籍、旅行、趣味活動など
その他の支出36,172約22.3%諸雑費(冠婚葬祭費、交際費など)
「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」(総務省統計局)を加工して作成

表を見てわかるように、「思った以上に減らない出費」と「意外と比率が高い項目」が浮かび上がってきます。

最も大きな割合を占めるのは「食費」

60歳以上の女性単身世帯では、月の生活費のうち約25%(4万円以上)が食料に使われています。

これは、外食は減っていても、調理済み食品や惣菜など“手間をかけずに食べられるもの”への支出が増える傾向にあるから。

「食べる量は減っても支出は減らない」状態になりやすいのが食費です。

「食べる量」ではなく、「食べ方」が変わる老後。
手間を減らしつつ健康を守るための“少し贅沢な食費”は、今後も大きな割合を占めていきそうです。

住居・光熱費は合わせて約18%

住居費(約9.3%)と光熱・水道費(約9.0%)を合わせると、月の支出のうち5分の1近くを占めることになります。

特に光熱費は、在宅時間の増加や寒さ・暑さへの弱さから電気・ガス代が高くなりがちです。

住まいや光熱費は、ぜったいに削れない“生きるための土台”
どんな生活スタイルでも毎月必ずかかる固定経費だからこそ、しっかり把握しておくことが安心につながります。

交通・通信、教養娯楽もそれぞれ10%前後

通勤がなくなっても、車の維持費やスマホ代などで交通・通信費は約10%と高め。

また、旅行や趣味、図書などにかける“心のゆとり費”である教養娯楽費も約10%をキープしています。

年を重ねても「楽しみ」や「好きなこと」を続けられるかどうかは、生活の質そのものに直結します。
心のゆとりにかけるお金は、節約すべき“無駄”ではなく、自分らしく生きるための必要経費です。

「その他支出」が意外と大きい理由とは?

注目したいのが、「その他の支出」欄。

月あたり3万6,000円超(22.3%)と、食費に次いで大きな割合を占めています。

この中には、冠婚葬祭や交際費、日用品のまとめ買い、突発的な支出などが含まれており、「一見すると目立たないけれど避けられない支出」が集まっているのです。

老後の生活費を考えるときは、「大きな固定費」だけでなく、“ちょこちょこ出ていく小さな出費”の積み重ねにも目を向けることが大切です。

独身女性の老後の生活費まとめ

ここまで見てきたように、老後の生活費は一見“減る”ように思えても、その中身は決して単純ではありません。

収入が減る一方で、医療・光熱費・交際費など「節約しづらい支出」は増えていく傾向にあるのです。

総務省の家計調査によると、60歳以上の女性単身世帯の平均的な月間支出は約16万円

ですがこの金額は、あくまでも「多くの人が支出を抑えながら生活している現実」を反映した数字といえるでしょう。

独身女性が老後生活への備えとして意識すべきこと

独身女性が老後生活への備えとして意識すべきこと

老後の生活費は16万円前後と聞くと、「なんとかなりそう」と思うかもしれません。

ですが、それは“家賃がかからず、健康状態が安定している”人たちの平均値であることを忘れてはいけません。

40代の今だからこそ、老後のリアルを知ったうえで、できる準備を少しずつ始めておくことが大切です。

住まいの選択で支出は大きく変わる

老後の住居費は、持ち家か賃貸かで大きく差が出ます。

家賃を払い続ける場合、月2〜5万円の固定支出が一生続くと考えておきましょう。

  • 持ち家なら…修繕費や管理費の備えを
  • 賃貸なら…長期で借りられる安心な物件の確保を

「家賃の不安がない」というだけで、老後の安心感は大きく変わります。

医療費や突発的な支出にも“予備費”を

医療費は、加齢とともに避けられない出費のひとつ。

さらに、冠婚葬祭や家電の買い替えなど、想定外の支出が突然やってくることもあります。

  • 月1〜2万円は「予備費」として確保
  • 医療保険や共済の見直しも検討
  • 公的支援(高額療養費制度など)の制度を事前に知っておく

「備えていれば慌てない」ための余白を、毎月の生活設計に組み込んでおきましょう。

年金以外の収入源づくりも視野に

将来、年金だけで生活費をまかなうのが難しい人も少なくありません。

「働き続ける」「副収入を得る」「貯蓄や資産運用を考える」など、年金以外の収入源づくりも、老後の備えとして重要になってきます。

  • 少額から始められるiDeCoやつみたてNISA
  • 在宅ワークや資格取得でゆるやかな収入づくり
  • 退職後の再雇用・パート勤務も視野に

“老後も少し働く”ことを前提にすれば、精神的な安心にもつながります。

「お金の使い方」を見直すタイミング

40代は、「収入が安定しているようで不安も見えてくる」時期。

だからこそ、今がお金の使い方を整えるチャンスでもあります。

  • 家計簿アプリで支出の可視化
  • 老後シミュレーションツールの活用
  • 自分にとって“譲れない支出”と“減らせる支出”の整理

未来を考えることは、「今のお金の使い方を大切にすること」にもつながります。

まとめ|40代の今こそ、“老後支出”を知っておこう

老後の生活費は、ただ「節約すればいい」だけではなく、どんな支出が増え、どこにお金をかけたいのかという“価値観”が表れる部分でもあります。

だからこそ、40代の今から「老後のお金の流れ」を知っておくことが何よりの備えになります。

不安の正体は「見えないこと」

  • 本当にお金が足りるのか?
  • 年金だけで暮らしていけるのか?
  • 思わぬ支出で困ることはないか?

こんな漠然とした不安の多くは、“見えていないからこそ不安”になっていることがほとんどです。

でも、数字として支出の中身を知ることで、「思ったより現実的かも」と感じられることもあります。

知る → 考える → 少しずつ備える

  • 自分は賃貸派?それとも持ち家派?
  • 健康維持のためにかかるお金は?
  • 老後も続けたい趣味や楽しみは?

「どう生きたいか」をベースに、その暮らしに必要な支出を逆算して考えていく

そんなスタート地点に立てるのが、40代という時期の強みです。

今すぐすべてを準備できなくても大丈夫。
大切なのは、“自分にとって必要な支出”に気づき、ひとつずつ備えていくこと

この記事が、あなたの未来にちょっとした安心とヒントをもたらせたら嬉しいです。

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